薄い基材を、加熱モジュールへ
フッ素樹脂系複合材料の基材とSUS箔を熱圧着でシール。接着剤を使わずに発熱体モジュールを一体化し、試作品による加熱を確認しています。

静岡理工科大学 黒瀬研究室KUROSE LABORATORY
母材と不連続な高アスペクト比板状粒子を組み合わせ、熱、振動、光、ガスに関わる特性を設計します。得られた材料特性をもとに用途を想定し、試作・評価で適用の可能性を確かめていきます。
試験片での評価から、用途を想定した試作へ。
フッ素樹脂系複合材料の基材とSUS箔を熱圧着でシール。接着剤を使わずに発熱体モジュールを一体化し、試作品による加熱を確認しています。

耐熱性樹脂を用い、熱伝導性に異方性が生じる配合としています。板厚250 μmの基材で、加熱時の温度分布をサーモカメラにより評価しています。
4倍速/通常速度の切替に対応。時間表示は元動画の経過時間です。各動画の先頭を基準に、共通する長さの区間を同期再生します。撮影時の温度レンジが変わるため、色だけで絶対温度を比較せず、表示温度と分布を併せて確認します。
熱硬化性樹脂/板状粒子の複合材料で、火炎を遮る働きを評価。加熱面と裏面の動画から、加熱中の様子を確認できます。
天然鉱物/PC系で、光透過性と高い弾性率を確認。破壊靭性評価では、亀裂がジグザグに進展する様子を観察しています。荷重を支える剛性と、亀裂の進展に抵抗する靭性の両立を評価しています。
評価方法破壊靭性は、ASTM D5045のSENB(Single-edge-notch bending:片側切欠き曲げ)法を参考に評価しました。
比較材料の破壊靭性の範囲・位置づけの参考:Amini et al., Science 373, 1229–1234 (2021), Fig. 5。弾性率および本研究の評価値は、同論文からの引用ではありません。


軽く、剛性を確保しながら振動を減衰させる。板厚2 mmの片持ち梁による自由振動試験で、構造部材としての可能性を評価しています。
| 指標 | 複合材料 | アルミ合金 |
|---|---|---|
| 固有振動数比剛性に関係 | 44 Hz | 39 Hz |
| 減衰比振動の減りやすさ | 4.6 × 10−3 | 2.6 × 10−3 |
配向した板状粒子が透過経路を長くする構造を利用し、酸素透過を評価。
評価方法・比較の前提ガス・水蒸気透過率測定装置(GTRテック株式会社製 GTR-20XAG)を使用し、室温下、差圧法で酸素透過を測定しました。約1/400は、樹脂単体を比較対象とした代表試料の評価例です。
各特性は、異なる母材・配合・試験条件で得られた研究室内の実証例です。必要な機能の組み合わせは、用途に合わせて材料を選び、試作・評価を通じて検討します。
得られた材料特性をもとに用途の仮説を立て、試作・評価を通じて適用の可能性を検証しています。
| 材料特性 | 用途候補 | 製品で期待する効果 |
|---|---|---|
| 耐熱性、薄型、均熱性、電気絶縁性、剛性 | 面状発熱体基材、機器の温調部材 | 薄い基材を用いた均一な加熱 |
| 火炎の遮蔽、耐熱性、断熱性、成形性 | 電池周辺の隔壁、容器内張り、耐熱・断熱板 | 火炎や熱の影響を抑える |
| 軽量・高剛性、寸法精度、成形性 | 自動車内外装、無人航空機カウル、搬送・収納部材 | 軽量化と部品形状の両立 |
| 比剛性、振動減衰、寸法安定性 | 振動板、精密機械フレーム、ロボット部材 | 剛性を保ちながら振動を抑える |
| 光透過性、弾性率、破壊靭性 | 採光パネル、間仕切り、家具 | 光を通す部材の剛性・破壊靭性の両立 |
| 対象ガスへのバリア性、変形への追従性 | 容器ライナー、バリアシート | ガスの透過を抑える |
掲載例以外の用途への適用についても、ご相談ください。
「自社製品に適用できるか確かめたい」「この特性を活かした部材を試作してみたい」といったご関心がありましたら、お問い合わせください。材料特性と想定する用途・条件を照らし合わせ、適用の可能性を一緒に考えます。
試作のご要望については、目的や条件を伺い、実施可能な内容を検討します。
掲載している用途以外の着想や、具体的な仕様が決まる前のご相談も歓迎します。