01

研究コンセプト

新しい複合材料の創成と
社会実装を目指して

貝殻の真珠層に学ぶ補強構造と、不連続な板状粒子を利用した成形のしやすさを組み合わせ、力学特性と成形加工性を両立する複合材料を開発しています。

着想

貝殻の積層構造に学ぶ

貝殻の真珠層では、板状の無機成分が有機成分を介して重なり合っています。

この構造に着想を得て、薄い板状粒子を重ね合わせ、面内の多方向を補強する複合材料を設計します。さらに、粒子が不連続であることを利用し、成形時に母材とともに変形・流動できる材料へ展開することを目指します。

提供写真のアワビ貝。写真の赤い注記を除去。
アワビ貝
黒瀬撮影の真珠層の断面SEM。板状の成分が重なる構造と、提供画像内の5マイクロメートルのスケールバー。
真珠層の断面SEM
板状の成分が重なる構造

断面SEM:黒瀬撮影

材料設計

繊維強化と板状粒子強化

複合材料の補強には、強化材の形状と配向が関わります。本研究では、面内の多方向を補強できる板状粒子の形状と、成形時に粒子が移動できる不連続性の双方に着目しています。

繊維強化複合材料(FRP)

一次元の強化材:繊維
繊維強化複合材料の模式図 母材中の細長い繊維を一方向にそろえた例。繊維の長手方向の引張を二本の矢印で示す。繊維の配向や積層によって、必要な方向の補強を設計できる。
繊維の長手方向を利用した補強

繊維の配向や積層を設計することで、
必要な方向を補強します。

板状粒子強化複合材料

二次元の強化材:板状粒子
板状粒子強化複合材料の模式図 母材中に薄い円板状の粒子を高充填し、粒子の広い面を材料の面に沿ってそろえた模式図。材料面内の異なる引張方向を四本の矢印で示す。
板状粒子による面内多方向の補強

粒子の広い面を荷重支持に活用し、
面内の多方向に補強効果を引き出します。

強化材の形状と配向を示す模式図。矢印:材料面内の引張方向。繊維は一方向にそろえた例。

目指す姿

材料創成から、
社会実装へ

補強効果と成形のしやすさを実際の部品につなげるため、材料設計から製造・成形技術の開発、性能評価、部品試作までを一貫して進めています。既存の複合材料に加わる新たな選択肢として、板状粒子強化複合材料の社会実装を目指します。