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材料構造

高充填・高配向の材料構造で、
補強と面内流動を引き出す

板状粒子を高充填し、広い面を材料の面に沿ってそろえることで、面内の多方向を補強します。成形時には、面内に配向した不連続粒子が母材の変形・流動に伴って移動・再配列する構造を活かします。補強と面内流動の両方を支える材料構造を設計しています。

材料設計・微細構造

高充填・高配向と、粒子の不連続性

厚さに対して面方向の寸法が大きい、薄い板状粒子(高アスペクト比)を用います。粒子の形状・充填率・配向と母材の変形挙動を組み合わせ、荷重を支える構造と、成形時に流動できる構造を設計します。

高充填
母材中に板状粒子を高い割合で配置し、荷重を粒子に伝えて補強効果を引き出します。
高配向
粒子の広い面を材料の面に沿ってそろえ、面内の多方向を補強します。面内等方的な力学特性と、成形収縮の方向差の低減を狙います。
不連続粒子
面内に配向した粒子が、成形時の母材の変形・流動に伴って移動・すべり・再配列する構造を活かし、面内流動につなげます。
板状粒子強化複合材料の断面SEM。白色の板状粒子が面内方向にそろって重なり、その間に黒色の樹脂がある。樹脂、板状粒子、面内方向の注記と60マイクロメートルのスケールバーを含む。
板状粒子強化複合材料の断面SEM白色組織:板状粒子 黒色組織:樹脂
板状粒子が面内方向に配向して重なる構造の代表例
力学特性

軽量性と力学特性の両立

軽量構造材料としての可能性を、密度を考慮した力学特性で評価しています。本複合材料の代表試料を、金属や繊維強化複合材料の代表値と比較しています。

比弾性率 E/ρ
弾性率を密度で割った指標
比強度 σ/ρ
強度を密度で割った指標

比弾性率と比強度の比較(代表例)

本技術の複合材料と鉄鋼、アルミ合金、GFRPスタンパブル材、CFRPのSMC材の比弾性率と比強度を比較した図。横軸は比弾性率、縦軸は比強度。本複合材料の代表試料は、この比較の中で比弾性率が高く、比強度は鉄鋼とアルミ合金の代表値を上回る位置にある。
代表試料と比較材料の代表値による比較。
SEM像と力学特性図は、それぞれの構造・特性を示す代表例です。
構造と特性

材料構造から期待できる特性と成形加工性

粒子の形状・充填率・配向と母材との組合せから、力学特性、成形時の流動性、成形後の寸法安定性を設計します。熱・火炎・ガス、振動や表面・光学の機能も、粒子と母材、界面の選択によって広げていきます。

力学・振動

面内等方的な力学特性

板状粒子の二次元形状と面内配向を生かし、面内の多方向を補強して、剛性・強度の方向差が小さい構造を設計します。

ねじり剛性

面内の多方向を補強することで、せん断変形やねじりに対する剛性の向上も期待できます。

板厚方向の破壊靭性

板厚方向に進むき裂の迂回や、粒子間の母材の変形に着目し、き裂進展に対する抵抗の向上を目指します。

制振性

粒子間にある母材のせん断変形と粘弾性によるエネルギー散逸を利用し、振動を減衰させる材料設計を目指します。

熱・火炎・ガス

熱伝導率の異方性

粒子の熱伝導特性と配向を利用し、面内と面外で熱の伝わり方が異なる材料構造を設計します。

板厚方向の断熱性

板厚方向に熱を伝えにくい板状粒子と母材を選び、配向構造を利用して熱の通過を抑えることを目指します。

耐火性・遮炎性

無機板状粒子の高充填と、耐熱性を備えた母材の組み合わせにより、火炎下での形状保持や熱・炎の通過抑制を目指します。

ガスバリア性

板状粒子がガスの透過経路を迂回させ、厚さ方向の透過を抑えるバリア効果が期待できます。

寸法安定性・成形加工性

面内方向の低い線膨張係数

低膨張の板状粒子を面内に配向させ、温度変化による面内方向の寸法変化を抑えることを目指します。

面内等方収縮性・反りの抑制

面内で方向による成形収縮の差が小さい構造を狙います。収縮の方向差に起因する反りを抑え、成形後の形状安定性につなげます。

塑性加工性・面内流動性

面内に配向した不連続粒子が、成形時の母材の変形・流動に伴ってすべり・移動・再配列する構造を活かし、部品形状への成形を目指します。

低圧成形性

板厚方向を拘束し、母材の流動と粒子の面内移動を利用することで、粒子の破損を抑えながら低い圧力で成形する条件を検討しています。

表面・光学

耐摩耗・摺動特性

無機板状粒子の面内配向と表面近傍の構造を利用し、耐傷付き性・耐摩耗性の向上や摩擦・摺動特性の制御を検討します。

光学特性

透明な板状粒子と母材の組み合わせ、屈折率・界面・配向状態の調整により、光透過・散乱・反射を制御する材料への展開を検討します。

特性の現れ方は、粒子種・母材・充填率・配向・界面状態、成形条件によって変わります。表面・摺動特性は、今後の検討対象です。光学特性は、一部の材料系で評価を進めています。